2017年4月6日木曜日

坊さんVS.神主(その4)


 
 葬儀屋さんの動きは早かったのであります。

ドクターの診断書が出るや否や、お迎えに伺うとのこと。
 

 
いやいや、お兄さん、いくらなんでも早過ぎやしませんか?

まだ、親族は電車でこっちに向かっている最中の奴もいて

土地勘もない、更には駅からも離れたところに運ばれても

困るんですけど?

 

と私は抵抗します。

 

するってーと、葬儀屋さんはこう言いました。

 

「早くご移動しないと大変なことになりますよ」

 

つまりだ、処置を早くして、ドライアイスで固めないと

ドンドン痛んじゃうよっていうことだと理解するわけです。

 

ならば、仕方ない。

速攻、お引越しです。

 

なんせホームに居るわけですから、お引越しするにあたっては

他の入居者さまの目があるんですね。

 

他の入居者さまにとっては大ショックですよ。

ご遺体移動なんて、目にしたくもない光景ですよ。

 

なので、私は施設長に言いました。

 

「今から、葬儀屋さんが来るらしいのですが、食堂におられる

皆さん、お部屋にお連れするとかされなくていいですか?」

 

施設長は豪快な方なので、一言こうおっしゃいました。

 

「大丈夫!わかりそうな人は部屋に引っ込めたし

出てる人はわかんないから!」

 

えーーー!!??

いくらボケボケでも、黒い人が水平になっている物体を運んでいる

シーンを見たら、わかるべ!!??

 

しかし、作戦はそのまま実行され、何事もなかったかのように

ホームの外に出ました。

 

おボケになっているお年寄りの頭の中はどうなっているんでしょうね。

多幸感、満載だといいなぁって思っています。

いずれ行く道ですものね。

 

で、私たち家族は自分の車で葬儀屋さんを追いかけるべ!と

思っていたら、葬儀屋さんに追いかけられたザマス。

 

なんでもご遺体と死亡診断書は一緒に行動しないといけないらしく

ご遺体単独での行動はご法度なんだそうです。

 

診断書は私がかじめていたので、途中で葬儀屋さんが大わらわに

なったというわけですね。

 

そして、はるばる着いた先が仮安置所となった施設なんですが

まぁ、ゴージャス。

 

鹿鳴館って言えばいいですかね?

 

今は一軒家を使って、一家族だけでゆったりと優雅に葬儀を

行うのがトレンドなんだそうです。

 

霊安室とは雰囲気が程遠い、豪華なリビングというような

ところに母は寝かせられ、私たちは葬儀仔細を詰めるため

 

別のまた趣の違った素敵な部屋に通され、説明を受けるわけです。

 

「こちらが骨壺でして、関東圏はすべてを納めるので大きく

関西圏は小さな作りになります。

 

各種、タイプがございまして、女性ですと、こちらの花々シリーズが

人気でございまして、もちろん、お名前もお入れします」

 

爺さん(父)の時は白一色で選択の余地もなかったんでありますが

10年でトレンドが大きく変わったんですかね?

 

親族で、蘭だ、水仙だ、薔薇だとか揉めまして、まあ、ひとつひとつに

素晴らしい種類の選択肢が用意されているので、私などは途中でもうどうでも

よくなって参りまして、それより眠たい!という一心でございます。

 

葬儀社の方は当然と言わんばかりに「このお打合せは3時間超、かかります」

とおっしゃいます。

 

もう眠い!

どうでもいい!

なんでもいい!

寝かせてくれー!!!!

 

と言っている内に値段がドンドン釣り上がるのですが

その場に居合せた人間、全員の脳の神経細胞が逝っちゃってるもので

もうわけわからない状態に突入して参りました。

 

私がひとつだけこだわったのは棺を囲む花々でありまして

要は棺の周りをプランターのようなものでお花畑よろしく

囲むのですが、とてもお洒落でキュートなわけです。

 

「薔薇とカーネーションにしてねと言いましたら

これにも赤系統、桃系統、黄色系統、紫系統と細かくチョイスできる

次第で、最後は「私が自信を持っておりますのは・・・」という

葬儀社の兄ちゃんの言葉で、それにドンドン決まっていくんでございます。

 

そのお花畑金額、20万円突破。

 

普段なら、絶対、出すわけがないんですが、頭がほれ、もうおかしい

ですから、あら、お安いわね!状態になるんですね。

ええ、親族全員がです。もうアホとしか言いようがありません。

 

香典返しでもものすごい種類を見せられるもので

「タオルで良くね?タオルで?」とめんどくさくなっていたら、

今はさすがでございます。

 

いらしてくださる客人に数種類から選んでもらうシステムで

しかも未渡しのものは引き取り(つまりお金がかからない)

なんですね~。

 

これ以外にも、今はですね、おもろいことに結婚式なみの

お食事になるようで、その場で揚げたり、握ったり

もしくはフランス料理フルコースっていうのもございまして

親族全員、頭がイカれてますから

 

「美味しいのにしよう!美味しいのに!!」ってことに

ホイホイ決定し(アテクシなどはこのひと月、まともなご飯を

食べていないものですから(菓子だけは尋常じゃない量を消費し

そしてデブった(泣))、食べる気、満々ですね)

 

なんだか誰のための祭事(神式なのですべて祭りが付きます)なのか

わかったもんじゃなくなりました。

 

そんなこんなで、すべての明細が出来上がったときには

それが安いのか、高いのかも考えられなくなり

 

もう、こっちとら江戸っ子でぃ!(うそ、江戸っ子の要素は皆無)

と開き直った次第なのでございます。

 

しかも、親族全員が「江戸っ子病」にり患してしまったという

相当、悲惨な打ち合わせになり、終わった後は抜け殻のように

脱力していたのでございます。これが、まだ通夜祭、葬祭前です。

先が思いやられる。

 

次回はいよいよ、タイトルの坊さんVS.神主の戦いでございます。
 
 
 
 
 
 

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