2016年3月21日月曜日

終末思想に覆われるアタシ(前編)

 ひとり暮らしをしていた老母をある日突然、老人ホームに押し込んだ形になったので

親が持っていた2軒の家が手つかずで残されてしまった。

 

 
人が住まなくなった家は荒れ方がひどくなるので、その管理が大変過ぎて、1軒は

老母曰く「ただ同然」で売り払った。

 

当然、きょうだい間は修復不能なくらいの仲たがいになったが、もう経済的にも

体力的にもアタシがめんどうをみるのは無理なのだ。

家を残したいと言う人が管理をし、将来的にもかかってくる経済的負担もしていくべきだと思う。

それらのめんどうはみずに、でも家は母の思い出の詰まったものだから残すべき!っていう論理は何もやらないから言えるのだ。

もう、絶縁してもいいからという一念で売り飛ばした。

(もちろん、老母の抵抗もひどかった)

 

当然、家の中には家財もあるので、大変だったが、手放せて、アタシはこころから
喜んだ。

 

しかしだ、まだ1軒残っている。

 

売り払った1軒で疲れ切ったアタシにはそこにある半世紀の荷物を整理する余裕は
全然ない。

そうでなくても、今現在、アタシは老母の召使である毎日に疲労困憊なのだから。

 

しかし、なんであんなに物があるんだろう?

死ぬときには何も持っていけないことがわかっているのに、処分をさせない。

 

アタシはこのことで痛感している。

「今、アタシが死んだら、我が子が(膨大な物の山に囲まれて、途方に暮れ)悲しむ」

→もっとコンパクトに住もう。

 

収納のプロである中村美香さんによると、美香さんの亡くなったお母さまも素晴らしく

綺麗好きな方で、家中がピカピカで整理整頓され尽した家にお住まいだったそうだが、

亡くなられた後、たったひとつ困ったことを見つけたそうだ。

 

それがアルバム整理。

美香さんのお母さまほどの人でも我が子の成長の記録を捨てて行くのには抵抗が

あったようで、思いの外、多くの写真が残されていたのだそうだ。

 

美香さんは10年経ったら、処分しようと心に決め、実際に10年後、自分の人生を

アルバム1冊で振り返る=1年を2枚程度にするという作業に着手したと聞く。

 

我が意を得たアタシである。

 

父が亡くなったときに急いで遺影用の写真を探さなければならなかったのだが、膨大なアルバム+現像したままの状態で保存されていたすごい数の写真に辟易しながらの作業だったのを思い出したのだ。

 

「これをやるしかない!」⇔「めんどくさい!」

 

こころが揺れに揺れたが、この度、ダンナが見かねて着手してくれた。

 

夫婦二人半世紀分+20歳越えの子ども二人分だから、ものすごい量がある。

しかも、アタシは暇だったので、そのすべてを丁寧に貼っているのだ。

(子どもの図工作品やらお手紙なんかも母のコメント入りで貼り付けていた)

剥がすだけでも労力要るし、しかも、それを裁断廃棄しなければならない。

 
 
↑ 裁断破棄したアルバムのごく一部
 


アタシだと、特に子どもの写真は見入ってしまうので作業がはかどらないのであるが、

ダンナは「捨てることが目的」と割り切っているのか、もう子どもの写真もドンドン
捨てる。

 

そうして、ようやくこのほど、数週間かかった作業の終息が見えて来た。

 

美香さんのような思い切りが出来ず、1冊で振り返りは無理だったが、これをデジタルに

すれば、子どもに迷惑をかけるのを最小限にとどめられるかもしれない。

 

娘は生き方の端々に「断捨離」を始めた両親を見て「えー?死ぬ気では?(まだ、当分は

自分に金を出さんかい!)」と心配しているが、そろそろ真面目に「終末期」を考えない

いけない。

 

息子は笑いながら「アンタが死んだら、俺が何も見ないでまとめて全部、捨ててやるか

ら!」と言っていたが、捨てるのも金がかかり、その前に選別という重労働が待っている

のを若さゆえにわかっていない。

 

老人介護はアタシにとっては、実は親というよりも、子どもである自分自身の生き方を

振り返り、今後、どう生きて行きたいのかを具体的に思い知る、すごく良いきっかけに

なっている。

 

 

 

 

6 件のコメント:

  1. いのうえももこ2016年3月22日 17:29

    こんにちは、ご無沙汰してます。井上です。
    先日長男が無事卒業いたしました。そのままそっちで就職し、新しい家への引っ越しも済み、あっちこっち旅行したりして楽しんでるようです。

    実は、先月実家の父が亡くなりました。すごい突然に。
    んで、要介護の母は施設に入り、実家は空き家になったんですよ。
    んもーーーーー、信じらんないほどの物があって、どうやって処分したらいいのか途方に暮れています、私も。
    私も兄も住む気はないので、すぐ売らないにしてもしばらくは空き家。
    徐々に片付ければいいか、と生前は思ってたけどそんなの不可能ですね。
    お金出して業者に一気にやってもらうしかなさそうです。

    それ見て、ほんと自分はきれいにしてから死にたいと強く思いましたよ。
    私も、布が押し入れ半間分くらいあるのです。あんなの残して死んだら家族が困る。写真もたくさんあるし。
    暇を見つけて処分していこう、なんて思ってたって伸ばし伸ばしにして突然死んじゃったりするんですよね・・・でも私、捨てるのは好きなので多分本気を出せばできる気がする。いや、本気を出せるかどうかが問題なんですが。

    がんばりましょう。捨てましょう!!

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    1. ももこさん、お久しぶりです!
      そっか、お父様、突然でしたか・・・。
      大変でしたね。

      ももこさんはシンプルライフの達人な気がするので
      ホントにインテリアとかを見せて教えてほしいです。

      断捨離の道は中々アタシにはハードル高いですが
      頑張りたいです。

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  2. 整理って難しいですよね。私も祖父が亡くなった際に、母と家を空にする作業に追われて以来、自分の写真や、いつかいるかもしれない物をことごとく処分しました。
    まあバブル真っ盛りの女子大生の私の写真を子供に見せるのは教育上ちょっと・・・という理由もあったりするのですが。
    洋服も2年着なければ処分。いつか使うかものいつかは来ないと覚悟を決めて。友人のおばあ様が亡くなられた時に驚く程、物が少なく整理されていて、なのにお仏壇の引き出しに子供と孫に宛てた手紙と共に金のインゴットが残されていたと聞いた事もきっかけの一つでした。
    やっぱり、残されて嬉しいのも残して喜ばれるのも小さいのに金目の物って事かしら~と思い、日々断捨離しつつ金の積み立てなんかしちゃってます。そんでもって親にもさりげなーく、そのおばあ様の話をしたりなんかしています(笑)

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    1. そのおばあ様、素敵ですね〜。
      いい生き方で、きっと子孫からも「良いお婆ちゃん」認定ですよね。

      金か!その発想はなかったです。
      私もやってみようかな〜?って思います。
      教えてくれてありがとう!!

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  3. これは至言です!子どもである自分自身の生き方を

    振り返り、今後、どう生きて行きたいのかを具体的に思い知る、すごく良いきっかけ。。。


    こうして、親は老いる姿を子に見せるのが使命だと思います。

    そうして世代を重ねるごとに、一族は進化していきますね。
    ご先祖さまさま、、、子孫の末々まで守ってくださるのだと思えました。

    素晴らしい文章で歯切れよく、面白く読ませていただきました。
    拍手!!!

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    1. 親は老いる姿を見せるのは良いとは思うのですが
      ほどほどでいいと思うんですよね。

      今、母のホームでは70代の子どもが90代の親を世話しに
      面会に来ているのが中心で、50代のアタシは超若手です。

      70代になって自分が老後になっているのに
      親が存命って有り得ない!と思っておるこの頃です。

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